平安時代から日本人に愛され続けてきた屋形船の魅力を紹介
屋形船の歴史は古く、その原型は日本最古の歌集「万葉集」で詠われています。 屋形とは、元々日光や雨風をしのぐために作られた「苫(とま)」が発達したもので、平安時代以降、貴族の遊船、年貢輸送船、官船、商船と様々な船に屋形が取り付けられるようになりました。 もちろん貴族用の豪華な屋形と庶民的な商船用の屋形は目的が異なるために、構造や装飾も大きく違っていました。
そんな貴族が楽しんだ屋形船は、江戸時代には大名・武家の持ち物になりました。 金・銀・漆・絵画などあらゆる手段で装飾し、お客さんは芸者衆と遊ぶことが一般的となり、さらには長さ十一間(約20m)・幅約3間(約5m)にもなる巨大な船を建造するなど豪華絢爛な時代を迎えたのです。 「料亭よりも格式が高い」と言われる所以はこのあたりにあるのかもしれません。
屋形船遊びは、昭和20年前後より、戦後の混乱・水質汚染などにより一時その隆盛に陰りが見えましたが、昭和の終わりごろになると今のようなエンターテイメント性の強い屋形船が登場します。 一般的には20名程度が定員ですが、最近は定員100名クラスの大型屋形船も出現しました。 設備も通信カラオケや、エアコンが搭載されています。